あらすじ
「この人が彼氏です!」
学園のアイドル・橘紗月にそう叫ばれて腕を掴まれた日から、俺の平穏は終わった。
距離感がバグっている。計画はガバガバ。「いいから!」で全部押し切ろうとする。断ったはずなのに気づけば一緒に登下校して、昼飯食って、LINEして、あいつの兄の圧に耐えて——いや、これ偽彼氏の仕事じゃないだろ。
「偽だから」。そう言い聞かせれば全部処理できるはずだった。なのにこいつ、たまにふっと静かな顔をする。その顔を見ると、なんか——胸のあたりが、うるさい。
つーか、偽なのになんで毎日俺の教室まで来るんだよ。
……俺はたぶん、もう手遅れだと思う。
※※本作はカクヨムでも掲載しています。