あらすじ
経理部で働く相沢真帆は、営業部の高瀬修平と静かな社内恋愛を続けている。
誠実で優しい恋人との日常は、穏やかで心地よかった。
けれど最近、修平には説明されない空白が増えていた。
急な予定変更、言葉を選ぶ沈黙、そして――彼の隣に時折現れる、見知らぬ少女。
理由を尋ねれば、修平はきちんと答えてくれる。
嘘はない。それでも、真帆の胸に残る違和感は消えない。
踏み込めない距離と、信じたい気持ちのあいだで揺れながら、
真帆は問い詰めるのではなく、受け止めることを選ぶ。
優しさとは何か。
愛するとは、どこまで知ることなのか。
――私たちは、見落としたまま愛していた。
静かにすれ違い、静かに近づいていく、
じれったくて切ない大人の恋愛物語。