あらすじ
出産から二十日。
彼女を抱きしめたい――でも、そんなことはできない。
愛を言葉にできない男が、沈黙のまま妻と娘を守ろうとする物語。
妻、シリの出産から二十日。
彼女の笑顔を守りたくて、夫グユウは何度も産室を訪れる。
生まれた娘・ユウの瞳は、美しく、そして残酷なほどに青かった。
その色が、彼女を傷つけた兄を思い出させる。
それでもグユウは思う。
「シリが命を懸けて産んだ子なら、オレの子だ」と。
出産を経て心と身体の距離が生まれた夫婦。
“触れたいのに触れられない”夜を繰り返しながら、
二人は再び心を通わせていく――。
静かな春の光の中、沈黙の夫が見つけた愛のかたち。