あらすじ
幼馴染のユナは、
一日経つとすべての記憶を失ってしまう。
朝になるたび、
彼女はセイランを見ると首をかしげて言う。
「ねぇ……どこかで会ったことある?」
その言葉を、
セイランは何百回も聞いてきた。
それでも彼は、
何度忘れられてもユナを愛し続けた。
ある日、
“記憶を繋ぐ薬草・月影草”の存在を知ったセイランは、
危険な森へ向かう。
ユナが明日も、
自分の名前を呼べるように。
だが、薬草を集めた帰り道、
セイランは魔物に襲われ致命傷を負う。
それでも彼は、
ユナのために薬草を抱えたまま帰り着いた。
そして――
ユナは理由も分からず、
彼の死を前に涙を流す。
「どうして……あなたを見ると……こんなに悲しいの……?」
記憶は失っても、
涙だけは、彼を覚えていた。