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山を背に海を抱く温泉地綾科市。神や物の怪といった幻想の類が形を持って存在するこの街では、人々はそういうものを当たり前の存在として日々を送っている。 そんな綾科のアパートの二階の一室に貧乏神と一緒に起居している何樫氏は、日々する事のないまま、寝たり起きたり散歩したりして暮らしていた。 ある日、老舗旅館の女将が亡くなり、孫娘が後を継ぐ事になったのだが、彼女は怪異の類を信じていない様で、旅館に住んでいた座敷童子が何樫氏のもとに転がり込んで来る。座敷童子にも新しい女将にも何か事情がある様だが……。 ※当作品はフィクションであり、作中の人物、地名、事柄などはすべて創作です。 ※作中の妖怪、民俗学、神仏、神事、年中行事などの知識、情報も大体創作や独自解釈です。ちゃんと調べたい人はきっちりした文献に当たる事をお勧めします。 ※不定期更新です。
鬼を討ち、魂魄を送り還し、世界を保つ。 それが、巫女姫とその従者たちに与えられた役割だった。 霊刀『名残月』を手に、葬送剣舞を舞い続ける巫女姫・桔梗。 人の魂魄が正しく輪廻に還るため、彼女は齢短くも定められた理に従い続けていた。 巨門童子、禄存童子、貪狼童子、文曲童子、廉貞童子、武曲童子。 すべて桔梗たちが、倒し、回避し、送り還してきた鬼たちだった。 そして、王城地下牢に封じられた最凶の鬼──破軍童子。 かつて世界の仕組みを変えようとし、理に拒まれ、鬼へと堕ちた存在。 巫女姫と鬼。 本来、決して交わるはずのない二つの運命は、やがて対話という形で交錯する。 世界を救うために、剣を振るうのか。 それとも、世界の理そのものを壊すのか。 鬼と巫女姫が辿り着いた答えは、『誰かの犠牲によって成り立つ世界』そのものへの、静かな反逆だった。 これは、剣で始まり、剣を置くことで終わる──鎮魂と救済の物語。