あらすじ
本稿は、アメリカによるベネズエラのマドゥロ大統領拘束をめぐり、「国際法違反」という表層的な批判では捉えきれない現実を検証するものである。
不正選挙、経済崩壊、麻薬と軍の腐敗によって国家としての体裁を失ったベネズエラの実情、そして国際法を最初に踏みにじったのが同国政権自身であった経緯を整理した上で、国際法や国連がその惨状を止めることができなかった事実を突きつける。
さらに、安全な場所から「国際法違反」を叫びながら、当事者の苦しみに目を向けない第三者的批判の自己満足性を問い直す。
「力なき正義」はもはや誰も救えない――21世紀の国際秩序がすでに形骸化し、世界が再び弱肉強食の時代へ向かいつつあるという厳しい現実認識を、日本社会に突きつける。