あらすじ
ユーディット・エルマールは、夜会の最中に婚約者である騎士ローデリク・ヴァレンサの浮気現場を目撃してしまう。
普通なら青ざめて黙るところだろう。
けれどローデリクは違った。開き直るでもなく、謝るでもなく、次から次へと言い訳を並べ始めたのだ。
「違う、これは君が考えているようなことじゃない」
「放っておけなかった」
「愛が大きすぎた」
「本当に愛しているのは君なんだ」
――往生際が悪いにもほどがある。
使い回しの口説き文句、苦しすぎる言い訳、土下座までして続く見苦しい懇願。
同僚騎士や浮気相手まで巻き込み、夜会の一角は盛大な修羅場と化していく。
このまま捨ててしまうのは簡単。
けれど、それで終わらせるには腹の虫が収まらない。
ならば証明してもらいましょう。
その“愛”とやらが、本当に口先だけではないのだと。
浮気した騎士様は、今日も往生際が悪い。