あらすじ
この話は火打金の物語である。
火打金って何?とだいたいなる。見たことも聞いたこともない方が多い。そこで民話の「かちかち山」の話を出す。
いたずら狸はおばあさんを騙して殺す。おばあさんの肉で「ばばあ汁」を作って、おじいさんに食べさせる。それを知ったウサギは、おじいさんに代わって仇討ちをする。結構残酷でシュールなストーリーだ。今時の中央教育審議会は、絶対メジャーにさせないのが理解できる。コンプライアンス違反だ。だから触れる機会がない。あるいはここの婆汁の部分が飛ばされる。
「あーっ!石と石で火をつけるやつね。ウサギがタヌキの背中を燃やすやつ。」となる方と、全く知らない方と。すかさず私は「石と石では火花は出ないのです。石と火打金で火が出ます。まれに出ることがあるのだけど、それは黄鉄鉱と瑪瑙の場合ですね。黄鉄鉱は鉄の役割、瑪瑙が火打石になります。」と解説に入る。
日本書紀・古事記の話も出す。日本武尊(やまとたけるのみこと)が蝦夷討伐で東征するとき、敵に囲まれて火攻めにあい、迎え火で打ち勝った話。その時、叔母から頂いた革袋の中の火起こし道具が火打金と火打石である。こちらのほうがより通じない。
次が時代劇、銭形平次で平次が家を出るときに、妻が夫の背中から火打石と火打金でカッカッ!カッカッ!とやるやつ。少し通じる。しかし銭形平次の再放送は最近やっていない。銭形平次を知っているのは、六十代以上の時代劇を理解できる定年退職者たち。
その道具の話だ。