あらすじ
西園ひまりは、好きな先輩に告白する前に、クラスメイトの水瀬慧へ「告白の練習相手になってほしい」と頼んだ。
無口で、からかったりしなくて、ちゃんと目を見て話を聞いてくれるから。
それだけの理由だった。少なくとも、最初は。
放課後の教室で、5分だけ。
「好きです」「付き合ってください」と練習するたび、水瀬は言葉の癖を直し、変なところを指摘し、でも最後にはひまりの“好き”をちゃんと受け止めてくれる。
その返事がやさしすぎて、本気すぎて、ひまりは少しずつ気づいてしまう。
自分がいちばん「好き」を伝えたい相手は、もう別の人になっているのだと。
そして水瀬もまた、ずっと前からひまりのことが好きだった。
これは、好きな人への告白を練習していたはずなのに、練習相手の前でだけ本音になってしまった女の子と、最初から毎回本番みたいに苦しかった男の子の、放課後5分から始まる高校生の甘酸っぱい恋の話。