あらすじ
かつてこの国には「日本」という名があった。
西暦が崩壊し、天を衝く摩天楼と古の魔導が混じり合った時代。新たな年号**「天弦(てんげん)」**が刻まれてから三百年、列島は六つの「理(ことわり)」に引き裂かれた。
その頂点に君臨するのが、結界に守られた電脳聖域――**「帝都大東京」**である。
空を覆う巨大なプレートが太陽の光を遮り、選ばれた市民は首筋に埋め込まれた「管理チップ」によって、苦痛も、飢えも、そして「不要な感情」さえも制御される平穏を享受していた。
だが、その不夜城の影。
廃棄された鉄骨と毒霧が沈殿する最下層――「地下アンダー」。
そこには、システムに拒絶された者、チップを自ら焼き切った者、そして「自由」という名の地獄を選んだ亡霊たちが蠢いている。
彼らは、帝都が放つ排熱とゴミを糧に、泥水をすすりながらも「己の心」だけは誰にも明け渡さずに生きていた。
ある時、帝都は地下から発掘された未知の結晶体――**魔導石【ラザーン】**を手にする。
それは万物を書き換え、理を歪める「神の火」であった。
帝都はその火を使い、列島の「再統一」という名の略奪を開始する。