あらすじ
世界は、ぷるぷると震えていた。
「力こそが勝利」と信じて疑わない【武力文明】
「争わないことこそが勝利」と静かに語る【調和文明】
長年積み重なった二つの文明の“概念のズレ”がついに限界を突破し、空にはヒビが走り、地面からはなぜか酒の香りが立ち上り、森では餡子が勝手に生成され始めるという未曾有の「概念衝突」が発生してしまう。
世界崩壊のカウントダウン――。
だが、その光景をプリンを食べながら眺めていた少女・咲姫はにっこりと笑った。
「にゃうにゃ~、普通の概念衝突なんてつまらないのです♪ だったら、もっと面白くするのです~!」
咲姫の一声で、深刻なはずの戦場は一変した。
雷電の張り手建築によって巨大ステージが“強制的に”建ち上がり、わんわんの猛烈な増築によって戦場は巨大なフェス会場へと上書きされていく。
武器を構えた兵士たちが困惑する中、咲姫が突きつけた新しい世界のルール。それは――。
「お腹が減っているから争うのです! お腹がいっぱいなら、みんな幸せなのです♪」
サヤの絶品プリン、アリスの爆炎中華、サヨが届ける森の恵み。
そして、うさちぁんが抱える酒樽から溢れ出す、理屈を溶かす美酒の数々。
さらに「餡子熊王」の降臨によって、屈強な武人たちの頬に涙が伝い、争う理由すらも甘い香りに包まれて消えていく。
巻き込まれた常識人の「新人」は、なぜか“プリンの従者”に任命され、美学を語りたい「猫二」は説明の機会を奪われて悲鳴を上げる。
理屈も、正義も、様式美も、すべては胃袋の満足の前に無力。
さあ、世界で一番甘くて騒がしい、概念上書きフェスの開幕なのです!