あらすじ
あたし、シェルフィーネは、森で一族と慎ましく暮らしていた猫獣人の少女だった。
でも、魔王の侵略によりすべてを失い、ひとり放浪の旅に出ることになる。
それから半年後。空腹のあまり倒れたあたしを助けたのは、ルルカーシュという同い年の少年だった。
彼は各地を旅しながら、〝炊き出し〟と呼ばれるこの世界では奇妙な行為で人々に食事を振る舞っていた。
けれどその顔は、どうしてか少しも嬉しそうじゃない。
損得でしか動かないはずのルルカーシュと、感情で動くあたし。
噛み合わないまま、それでも一緒に旅を続けるうちに、ひとつの疑問が頭から離れなくなる。
『どうして君は、そんな顔で人を助けるの?』
やがてあたしは、君の〝理由〟を知ることになる。
それでもきっと——
あたしは、君の理由を知らない。