あらすじ
人と目を合わせるのが怖い。
そんな視線恐怖症を抱える少女・朱鈴。
十四歳で魔法学校の中・高等部を飛び級卒業し、その後は魔法ではなく一般の通信制大学へと進学。
外に出る回数は少なく、閉じた世界の中で生きていた。
自らの興味を追い求め、興味を持った分野の知識を独学で深めていく日々。
小さい頃から植物が好きで、そこから枝分かれに派生した毒物。それは朱鈴にとって、一人で生きていけるようにするためだった。
そんな中『〝魔法の幽才〟』と呼ばれる謎の魔法使いの噂が一部で広がっていた。名前・年齢・性別全て謎の正体不明の人物。
ただその魔法使いの使う魔法には色んな噂が存在し、一つ合致したのは――「真似はできない技法の魔法」と言われていた。
誰もが羨むほどの天性の才を持ちながら実在すら疑われる。
いつの日からか、その存在は〝幽才〟と呼ばれるようになったも、〝本人すら〟その事を知らないうちにだった。
一方――ネットの片隅にはもう一つの異名が通っていた。
『冥月(めいげつ)』と呼ばれる人物。
植物や毒の知識を駆使し、限られた情報から特定・解析。
そして曖昧な記録や断片的な事から導き出される確かな真実。
依頼を請け負いながら、次第に『〝植物毒の慧才〟』と呼ばれていた。
「〝幽才〟と〝慧才〟」
全く異なるふたつの才能は、静かに交差する。
すべては一人の〝誰か〟によって起こされ、解決まで至っていたこと。
影で動きながら表舞台には出ない人物。
――何気ない日常にある『毒(ギフト)』
それは善か悪か。
〝静なる毒という名のギフト〟となるのか…。
――喫茶店からの予期せぬ出会いから物語は動き出す――