あらすじ
その約束、1000年先の未来へ先送りしませんか?
繁華街の路地裏にひっそりと佇む喫茶店「レーテー川」。そこには、飲むと記憶を失うという神話の川の名を冠した通り、怪しげな「忘却クラブ」の噂があった。
店主は、自らを「魂を糧とする悪魔」と称する正体不明の男。彼が提供するのは、「約束」にまつわる記憶のみを封印するという奇妙なサービスだ。
「約束を守るのに疲れたのなら、一時的に忘れてしまえばいい。1000年後にまた思い出せば、それは約束を破ったことにはなりません」
そんな甘い言葉に誘われ、今日も又誰かが店を訪れる。
死んだ妻との「永遠の愛」の誓いが重荷になり、すべてをリセットしたいという男から。
さらには、100年先の未来から「忘却クラブ」を脱法的な情報共有手段として利用しにくる、おぞましい「未来の客人」まで。
これは、約束という名の呪縛に踊らされる人間と、それを見つめる悪魔の、一風変わったダークファンタジー。