あらすじ
人を襲う妖魔を討ち、人々を守る存在――護縁者がいた。
名家である月ヶ瀬家と御影家の婚約が決まる。
しかし御影家は配下を我が子と偽り、花婿として送り込んだ。
彼は生まれつき"心を読む"異能を持つ。
その力ゆえに誰も信じることができず、人々から気味悪がられてきた存在だった。
御影家から与えられた命令は一つ。
『月ヶ瀬家の娘を籠絡し、家を手に入れ、すべてを殺せ。』
偽りの笑みで彼は誓う。
「俺は生涯を誓って貴方様を愛します」
彼女もまた笑みを返す。
「私は生涯を誓って貴方様を愛しましょう」
だが、その笑顔も偽りだった。
彼女は"未来を見る"異能を持ち、すでに自分が死ぬ未来を知っている。
――人を愛せず、殺すために近づいた彼。
――人を愛するあまり、殺すことをためらわない彼女。
互いに偽りを抱えたまま、二人の運命は静かに交差していく。