あらすじ
――逃げ場を失った四十三歳の男が、人生をやり直すチャンスを得た。
老後破産。希望ゼロ。
すべてを諦めかけた夜、槇島悠人は、目を開けると知らない空の下に立っていた。
そこは――倫理の欠けた世界。横行する殺し、略奪。力ある者が奪い、力なき者は奪われる。
生き延びるには、戦うしかない。
そして、この世界の戦いはすべて「エマシン」と呼ばれる九メートルの巨人により決着する。
フルール地方の村々を襲う盗賊団。焼け落ちる家々。泣き叫ぶ子ども。
悠人は偶然手に入れた白い機体「ランデイン」に乗り込み、生きる場所を見つけるために戦いへ身を投じた。
冷徹に見えて心優しい女リン。
彼女との出会いが、悠人の「生きる理由」を変えていく。
だが、敵の中心には、ひとりの男がいた。
戦いを糧にのし上がろうとする、利己的な野心家――アグナー。
その存在が、悠人にとって最大の壁となる。
「俺はただ、安心して眠れる場所が欲しいだけだ」
そう願っただけの男が、いつしかフルール全土の命運を握る存在になる。
――倫理なき世界で、それでも信じるもののために戦う。
これが与えられた現実なら、立ち向かうまでだ。
自分の信念と、大切なものを守るために。