あらすじ
「川と丘に囲まれた町ブレストン。
冒険者ギルドに籍を置くマイラは、表向きは運び屋の見習いにすぎない。
だがその素顔は――ギルドが密かに任じる“封緘(ふうかん)運び屋”。
封緘とは、決して開けてはならない文書や呪具、封じられた秘宝のこと。
誰も触れられぬその荷を運ぶ役目は、危険と隣り合わせ。
マイラは胸に秘密を抱え、風に身を溶かすように、それを運んでゆく。
旅の途上で出会う仲間や人々との縁は、ひそやかな絆となり、
囲炉裏の灯や郷土の料理が、彼女の心にかすかな温もりを灯す。
だが、その微笑みの影にはいつも、失われた父の面影と、語られることなき使命が潜んでいた。
やがてその旅は、四季の彩りを越え、世界に秘められた真実の扉へと至る──。」