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令和七年(二〇二五)年は伊勢物語の主人公に擬せられる在原業平の生誕一二〇〇周年にあたるそうです(諸説あり)。伊勢物語は千年以上の時を越えて現代に受け継がれた名作品ですが、現代の我々にとって全編を通して通読される機会はなかなかないように思われます。今回、インターネット上の某所で講読した原稿を一部再編し、文芸作品としてここに表します。通説や先行研究などを踏まえつつ、筆者なりの現代語訳と解釈を試みて現代の我々にとっても意味をとりやすいように心がけました。 本稿における原文は、全編を通して『新潮日本古典集成 伊勢物語』に拠っております。これはいわゆる天福本、藤原定家自筆本を三条西実隆が臨写した本を底本とするものであります。 本稿は、伊勢物語の各章段ごとに一話として設定しました。各章段は長さもまちまちで、解釈の文章量にも差があるため、話によっては極端に文字数が多かったり少なかったりします。 それでは、歳末のお忙しい頃ではありますが、寒夜のひとときの御供となれば幸いです。
この作品は古典『伊勢物語』の現代語訳ではありません。 歌物語である「古典『伊勢物語』」を離れ、史実を織り交ぜながら、歴史上の人物としての在原業平を描く作品です。 在原業平は『古今和歌集』の六歌仙のひとりに数えられた歌人ですが、その生涯は社会生活向きではなく芸術至上の生き方を貫いたようです。