あらすじ
お見合いで結婚した妻・紗季(さき)は、家事万能、才色兼備、俺に完璧に尽くしてくれる理想の女性だった。この幸せな生活に満足していた……そう、あの日までは。
泣き止まない娘(1歳)を、妻は平然と宙に放り投げて「ワイルド」にあやす。 街で絡んできたチンピラを、妻は一瞬で「護身術」で制圧する。 ヤンキー親を「フェアー」じゃないと「論破」で黙らせる。
恐怖に駆られて結婚前のお見合い書類を見返した俺は、絶句した。 そこには確かに書かれていたのだ。
【子供はワイルドに育てたい】 【趣味:ちょっとした護身術】 【特技:フランス語(嗜む程度)、資産運用(趣味)】 【資格:国内A級ライセンス】
――そして、膨大な「添付書類」。 クラヴ・マガ、システマ、対武装勢力用の交渉術、数億の資産運用実績……。
彼女は嘘をついていなかった。 俺が、彼女の言葉の「本当の意味」を、勝手に常識の範囲内で誤解していただけで……。
妻の「正しさ」は社会に賞賛され、俺だけが孤立していく。 これは、最強すぎる妻との、幸せで(恐ろしい)日常の記録。