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今日も声高に婚約破棄の声が響く。 誰かが心を踏みにじり、そうして誰かが泣いている。 ――契約執行人の私には、もう見慣れた光景だ。 世界のルールに従い、契約魔術を司る役人――それが私。 婚約破棄を宣言した貴族の息子と、涙を堪える令嬢。 だが契約とは、決められた物を渡し合わなければならない。 感情を差し出せなかった者は、契約不履行となる。 等しく罰を受ける理由は、誰にも他言が許されない。 婚約破棄をするならば、覚悟を持たなければいけない。 世界は――そういうルールで、成り立っている。
【執行官シリーズ二作目】 今日も声高に悪徳令嬢と呼ばれる者の声が響き渡る。 思い通りに事を進められると、信じ切って誰かを嗤う。 ――契約執行人の私には、もう見慣れた光景だ。 世界のルールに従い、契約魔術を司る役人――それが私。 従僕契約を結ぼうとした貴族の娘と、それを拒否出来なかった令嬢。 だが契約とは、決められた物を渡し合わなければならない。 双方に見合う勝ちを見いだせなければ、契約不履行となる。 等しく罰を受ける理由は、誰にも他言が許されない。 悪徳に踏み込むにしても、矜持は持たなければいけない。 世界は――そういうルールで、成り立っている。