あらすじ
ディーハロイム公爵家の人間は美しい。
それが貴族の中で常識だった。
だが、長女であるアリーシャは平凡であった。美しい両親から生まれたはずなのにだ。
長男、次女は美しく、アリーシャだけがまるで赤の他人のようであった。
だが家族はアリーシャを愛した。それがアリーシャにとって救いであった。
平民の孤児に美しい娘がいると噂を聞くまでは。
その娘は次女にそっくりであると。
それは両親の耳にも届き、そして判明した。
アリーシャと平民で孤児である美しい娘は妖精の取り替え子であると。
アリーシャは、やっぱりね、と思う。
平民で孤児である美しい娘は喜んだ。自分は本当は公爵家の令嬢であり、贅沢に暮らせると。
だが父親は本当の娘を引き取らなかった。あまりにも素行が悪かったからだ。
「お兄様が異常者じゃなくてよかったですわ」
次女はホッとする。
長男はアリーシャに告白する。
「好きなんだ。愛しているんだ。私の婚約者になってほしい」
アリーシャは驚き、顔を赤らめるのだった。