あらすじ
ブラック企業で過労死したアラサー社畜の「俺」。 次に目覚めた場所は、冷たく暗い石棺(せっかん)の中だった。
鏡に映ったのは、寝不足で無精髭(ぶしょうひげ)の生えた中年の顔(俺)ではなく――月光に濡れる銀髪、血のように赤い瞳、そして神が造りたもうたかのような完璧な造形を持つ、絶世の「美少女」!?
(TS転生!? しかも何だこの体、妙に敏感で…エロすぎないか!?)
だが、状況は最悪。 この体、その正体は、神話の時代に封印されたという最強の【吸血鬼の始祖】だった!
圧倒的な魔力と(元)男の常識。 そして、理性を焼き尽くさんばかりの、強烈な「血への渇望」。
「だ、ダメだ…誰か来たら、俺は…俺は…!」
渇きに悶え、薄い寝衣一枚で石畳を転がる俺(私)の前に、運命の皮肉か、一人の少女が現れる。 彼女こそ、始祖を再封印(浄化)するために遣わされた、敬虔(けいけん)な「聖女」だった。
(終わった…天敵だ…)
だが、俺の本能は、彼女から漂う「極上の匂い」に歓喜していた。
――理性が、飛ぶ。 俺は、無我夢中で聖女の華奢な体に組み付き、その白い首筋に、牙を立てていた。
「あ…ああ…ッ!」
しかし――。 聖女は死ぬどころか、恍惚(こうこつ)とした表情で、俺(私)の体に擦(す)り寄ってくる。 「ああ、我が主(あるじ)様…! ついに、お会いできました…!」
――俺、天敵のはずの聖女を、うっかり「眷属(けんぞく)」にしちゃいました。
最強の力と絶世の美貌、そして(元)男の常識を持つ最古の吸血鬼が、忠実すぎる(そしてちょっとヤバい)元・聖女を筆頭に、自らの渇望と世界の理不尽に抗っていく――。
背徳のTSダークファンタジー、ここに開幕。