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公爵夫人フローラは十三年間、庭を守り続けた。 植物魔法で地下水脈を浄化する「生きた濾過装置」を。 夫はそれを「趣味の庭いじり」と呼び、愛人にはそう嗤われ、息子には「何もしていなかった」と言われた。 白い結婚の解消条項で静かに去った日、夫が最初にしたのは庭を潰して馬場にすること。 三ヶ月後、井戸が枯れ始めた。 フローラは隣国の荒野で、新しい庭を育てている。 土の匂いがわかる不器用な伯爵と、「お花のひと」と呼ぶ六歳の少女と一緒に。