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1997年、僕は生まれた。 まだスマホもSNSも普及していなくて、娯楽もニュースもテレビだけで、パソコンは大人のものだった。 当たり前が壊れていくのを、僕らは少し離れた場所から見ていた。 自分の声を持たないまま、空気を読むことだけが上手くなっていく。 記録する手段も失われるものも増えた世界は、壊れきれずに軋みながら形を変え続けていた。 それでも、海が見えるあの教室の匂いだけが、今も鼻の奥に残っている。 僕が手放せずにいる、あの時代の話。