あらすじ
戦乱の畿内。
名物が動けば人が動き、茶の湯が力を示す時代。
三好長慶が光の季節を築きつつあったその外側で、
ひとりの男が静かに歩き始める──松永久秀。
商人の目、僧の声、武士の姿勢。
町に流れる“外の風”を読み取りながら、
名もない若者は、やがて畿内を揺らす存在へと変わっていく。
本作は、久秀の少年期から描き起こし、
茶・名物・政治が交差する畿内の空気を丁寧に追う物語。
戦の火が消えない時代に、
ひとりの男がどのように「力」を見つけ、
どのように「道」を選んでいくのか。
歴史の表と裏を、静かな筆致で描く“闘茶”の物語。
ここから、久秀の歩みが始まる。