あらすじ
この世界は歪んでいる。
誰かを救う奇跡の光は、必ず誰かの犠牲の上に生まれる。
ルゥは、自らの痛みから「癒しの光」をあふれさせる特異な力を持つがゆえに、神殿の地下室に隠され、「儀式」の道具として生かされてきた。傷つくことが、彼女にとって唯一の存在理由だった。
そんな彼女のもとに、「世話役」として現れたのは、感情を悟らせない一人の少女、リナ。
冷たい石壁と、かすかに揺れる火の灯りだけが存在する地下室。
ルゥは、リナの静かな眼差しを通して、初めて「痛み」以外の感情を知る。
これは、孤独な奇跡を抱えた少女が、たったひとりの優しさによって、世界のどこよりも温かい「居場所」を見つけるまでの、静かで深い救済の物語。