あらすじ
あなたが訪れる故郷の城跡。その苔むした石垣が、もし、言葉を話すとしたら――。
これは、謀神・毛利元就という「光」の物語ではありません。
彼が中国地方の覇者となるまでの道のりで、その礎となり、あるいは抵抗し、歴史の闇に消えていった無数の山城。そこに生きた「名もなき人々」の物語です。
十倍の敵に包囲された、郡山城の籠城兵。
厳島の勝利のため、捨石となることを覚悟した、宮尾城の兵士。
瀬戸内の海を駆けた、村上水軍の船乗り。
時代の奔流にのまれ、福山城の石垣となった、神辺城の民。
彼ら、彼女らの、ささやかな、しかし誇り高き「声」を辿る、連作短編集(オムニバス形式)の歴史冒険譚。
物語を読み終えた時、あなたの見慣れた故郷の山々が、かつて武士たちが駆け巡った、熱いドラマの舞台として、色鮮やかに見えてくるはずです。
歴史の専門知識は一切不要。
故郷と城を愛するすべての人に贈る、人間ドラマをお楽しみください。