あらすじ
その卓は、世界の均衡を測る天秤。
ここは神々の領域「調律ノ間」。国家の興亡から個人の生殺与奪まで、森羅万象の運命はすべて「麻雀」によって決まる。卓上を滑るのは点棒(チップ)にあらず、青白い燐光を放つ「魂魄(こんぱく)の欠片」。
主人公シエルは、辺境伯領の末娘。一族を蝕む「龍の呪い」を解くため、この命が尽きるまで和了(あが)り続けなければならない宿命の代打ちだ。
彼女の前に立ちはだかるのは、他者の「理(ことわり)」そのものを喰らい尽くす「公爵」をはじめとした超越者たち。公爵の論理(ロジック)が卓を支配し、シエルの手牌は重く濁っていく。
絶望的な状況下、彼女に残された道はただ一つ。自ら理(ことわり)の壁を穿(うが)ち、神の領域に眠る奇跡——「嶺上開花(リンシャンカイホウ)」を掴み取ること。
乙女の祈りは、呪われた運命を覆せるのか。魂魄を賭けた神聖儀礼が、今、始まる。