あらすじ
金曜日の仕事終わり。工場勤務の浅井優斗(あさい ゆうと)の元に、中学時代からの親友・大輔(だいすけ)から連絡が入った。
電話越しでもわかるほど疲れ切った親友の声。放っておけず、優斗は十九時に駅の改札前で待ち合わせることにする。
合流した大輔の目は、まるで死んだ魚のように濁っていた。
事情を聞くために入った居酒屋で、大輔の口から飛び出したのは驚きの事実――。
誰もが知る大手小説投稿サイトの運営会社に入社したこと。そして、そこで「新規企画」を出せずに頭を抱えているという悲鳴だった。
必死な親友を助けたい一心で、優斗が口にしたのは、ランキングの底に沈んだ作品をプロが掘り起こす『サルベージ企画』。
ど素人の思いつき。酒の席の、ただの助け舟のはずだった。
けれどその行動が、優斗の人生を大きく変えることとなる。