あらすじ
寒空の下、とあるガード下の屋台。
赤ちょうちんの灯りに照らされながら、
年賀状は今日もひっそりと熱燗をあおっている。
──もう、自分の役目は終わりなのだろうか。
LINEに押され、人々の手書きは減り、
子どもたちがポストの前で待つ姿も少なくなった。
存在感が薄れゆく“年賀状”は、
屋台のオヤジに胸の内をぽつりとこぼす。
「文字に託す思いは、どこへ行ったんだろうな……」
そんな弱気を、オヤジは静かに否定する。
「大丈夫ですよ。あなたは、日本にとって大切な文化なんだから」
湯気の向こうに、ほんの少し灯る希望の光。
忘れられつつある伝統が、年の瀬の街角でふと息をつく──
そんな小さな奇跡を描いた、
しみじみと心に染みる“和風擬人化ショートストーリー”。