あらすじ
死神見習いのユウトには、ひとつだけできないことがあった。
――命を、延ばすこと。
人間界で魂の観測任務に就いていた彼は、ある日、不思議な少女ミオと出会う。
彼女の頭上には、本来あるはずの“死の時刻”が存在しなかった。
死ぬ運命でも、生きる未来でもない。
世界の帳簿から外れた、例外の存在。
彼女に惹かれ、関わるほどに、ユウトは知っていく。
ミオは「いつ消えてもおかしくない魂」であり、
自分が彼女に手を伸ばすほど、世界の均衡が崩れていくという真実を。
それでも彼は、選んでしまった。
死神としての正しさより、
一人の存在としての願いを。
命を延ばすことはできない。
奇跡も起こせない。
それでも、限られた時間の中で、彼女と“生きる”ことだけは諦めなかった。
これは、救えなかった命の物語。
そして、短くても確かに輝いた日々が、
誰かの心に残り続ける理由を描く、静かな恋と別れの物語。
――命を延ばせなかった理由は、
最後に、きっとあなたにも分かる。