あらすじ
断罪の夜、猫の尾が二つに割れた。
名門貴族の令嬢として学園に通う彼女は、ある日突然「悪役令嬢」として糾弾される。
罪を認めろ、謝罪しろ――正義の言葉が広場を満たし、輪の中心に立たされた彼女は、最後まで叫ばなかった。
そして、その夜から。
断罪に加担した者、拍手した者、目を逸らした者、沈黙した者。
彼らはそれぞれの寝台で、同じ“広場”を何度も何度も夢に見るようになる。
裁く者はいない。赦す者もいない。
いるのはただ、匂いを覚える一匹の猫。
猫は正しさを理解しないまま、けれど確かに“戻して”いく。
これは復讐ではない。
それでも夜は続き、夢は終わらない。
――悪役令嬢の飼い猫は、裁かない。
──断罪をもう一度