あらすじ
魔法が娯楽になった世界で、ただ一人“殺す気”で忍術を振るう少女がいる。
霧隠れの術の最中に姿を消した忍術研究者は、
魔法の存在する異世界「マジックアース」で、
十歳の少女シノとして目を覚ます。
そこは、働く必要も、飢えることも、死を恐れる必要すらない世界。
人々は「アイズ」を通じて世界に干渉し、
魔法を娯楽として楽しんでいた。
魔造、魔加、魔行、アセット――
殺す力を安全に保存し、何度でも再生できる仕組み。
だがシノは、その思想に馴染めない。
派手さが評価され、
危険なLv2や、死を伴うLv3は誰も選ばない。
施設での二年間、
管理者は外の世界について何も語らず、
「自由に生きていい」とだけ告げる。
安全すぎる環境の中で、
シノはただ一人、忍術を鍛え続けた。
保存しない。
再現しない。
その場その瞬間に、最適解を選ぶ。
十二歳で施設を出たシノは、
街に流れる魔法対戦のログから、
それが娯楽ではなく初心者狩りであることを見抜く。
そして彼女は、誰も踏み込まない領域――
Lv3を、殺す気で申請する。
魔法を忍術だと言い張る少女は、
娯楽として作られた世界の常識を、
静かに、確実に壊し始める。