あらすじ
彼女には、名前がなかった。
それは忘れられていたからではない。
最初から、誰にも必要とされなかったからだ。
街の片隅で残飯をあさり、
洗う場所も、帰る場所も与えられず、
少女は「臭い」という理由だけで世界から追い出された。
拒絶され、捨てられ、
誰にも看取られずに死ぬはずだったその日——
彼女は一つの声に導かれる。
それは、誰にも選ばれなかった
ユニコーンの鎧だった。
「お前が私を連れていくなら、
居場所を与えよう」
鎧に選ばれた少女は、
剣も誓いも知らぬまま戦場へと歩き出す。
やがて訪れるのは、
冥界の王が迫る戦争。
姫を差し出せと命じられる王国。
そして、誰も前に出ようとしない絶望の瞬間。
——立ち上がったのは、
かつて世界に拒まれた少女だった。
これは、
誰にも愛されなかった少女が、
世界を救ってしまう物語。
優しさはなく、
奇跡もない。
あるのは、
「捨てた側」と
「捨てられた側」の結末だけ。