あらすじ
理由も告げられぬまま、幼馴染であり婚約者だったルーカスから、突然婚約を破棄された伯爵令嬢リリエル。
美しい金髪を隠され、家の中でも居場所を与えられずに育った彼女は、父の判断により、辺境伯アレクシスのもとへ――一年間の期限付きで、婚約者候補として送られる。
アレクシスは、かつて妻を事故で失い、後妻を取らぬと誓った男。
人と距離を置き、感情を閉ざしたまま、辺境の地で生きていた。
「一年が終われば、ここを出る」
そう自分に言い聞かせながら、静かに領地と屋敷を支えるリリエル。
その慎ましくも誠実な在り方は、止まっていたアレクシスの時間を、少しずつ動かしていく。
だが――
彼女を守るため、別れを選んだ元婚約者ルーカス。
そして、アレクシスの親友マキシム。
三人の男の想いが交錯する中、
「事故」として処理された過去の出来事が、再び影を落とし始める。
これは、
守ることを選んだ男と、
居場所を失った少女が、
期限の先で“共に生きる覚悟”を選び取るまでの物語。