あらすじ
かつて南部に存在した獣人国家は、帝国の侵攻によって滅ぼされ、多くの獣人が虐殺された。
さらに生き残った者たちは奴隷や二級市民として扱われるようになった。
その記憶を忘れ去った帝国は、戦勝五十周年を祝う大規模な式典を帝都で開催する。
新月の夜、獣人解放前線を名乗るレジスタンスの一団は、帝都で皇帝暗殺を計画する。
実行者イリヤ・スカルファングは、祖国と家族を奪われた復讐として作戦を決行し、式典当日に大規模なテロを引き起こす。
混乱の中、皇帝を守ろうとする近衛騎士ランス・ヴァイヘルンとの死闘の末、イリヤは皇帝に刃を突き立てるが、暗殺は完全には成功しなかった。
事件後、帝国中枢にある国家憲兵府は、皇帝暗殺未遂を獣人による反乱として位置づけ、徹底的な弾圧と調査を開始する。
三年後。
テロで兄ランスを失った青年マティアス・ヴァイヘルンは、復讐ではなく対話による解決を志し、国家憲兵府の門を叩く。
獣人と人間、復讐と正義、理想と国家権力の狭間で揺れる中、帝国と獣人レジスタンスの終わりなき対立は、新たな局面へと進んでいく。