あらすじ
樹の洞から生まれた龍の子があった。幼名を玄命丸という。
彼は山の郷、山岳郷天嵐国にて育ち、天嵐神社の神使となるべく修行を積む。
元服と同時に名を樹洞子桜暁殿玄慈と改めた彼は、最後の修行として、山の龍穴地へ至る。
そこで龍神の御霊から、この和深大陸各地の龍穴を巡り、霊泉を飲めという神託を得る。
彼はそれを果たすべく行脚に出るが――。
山の外では、戦の時代、群雄割拠の乱世を迎えていた。
玄慈はかつて己の首を狙った刺客・禰涅を懐刀に、龍穴行脚を続けるが。
その旅は、決して穏やかとはいかず――。しかし、出会う人々、あやかしとの因縁は、確かに彼の糧となってゆくのだった。
後の世に二代目天嵐様、「天慈颶雅玄慈之尊《あまじくがげんじのみこと》」と畏み祀られる若者の生涯を描く、和風幻想冒険活劇。