あらすじ
戦国時代、その武勇から「鬼柴田」と恐れられた猛将・柴田勝家。彼がその荒ぶる魂を唯一捧げたのは、主君・信長の妹であり、絶世の美女と謳われたお市の方であった。
物語は、勝家がお市への秘めた想いを隠し、不器用な「道化」を演じて彼女を笑わせようとした織田家臣時代から幕を開ける。愛する人を他家へと送り届ける断腸の護衛、燃え盛る小谷城からの決死の救出劇。そして、ようやく夫婦として結ばれた越前・北ノ庄での、雪のように静かで温かな日々。
しかし、乱世の非情な運命は、二人を北ノ庄城の紅蓮の炎へと追い詰めてゆく。三人の娘を脱出させ、死を「祝言」へと昇華させる凄惨な儀式。炎に包まれながら二人が交わした「来世」の約束は、四百年の時を超えて、現代の東京へと繋がっていく。