あらすじ
「お前はなぜここにいる?一応忠誠を誓った帝国の剣だろう?」
「忠誠?そんなもの、最初から持ち合わせていない」
神に見放され、名前を奪われた亡国の王子・セレムは、祖国を滅ぼされ、アルベト帝国の奴隷将軍となった。
帝王と王女に望まぬ寵愛を受け、『無形』の名を冠するゼノという名を貰った彼は、身分も階級も持たず、戦争が続く限り功績をあげていく。
帝国一と称されるほど強大なものとなったその力は、やがて来る『時』を待っていた。
そんな折、彼は神を信じない巫女・ライラと出逢う。ライラは、かつて楽園と呼ばれたある島国の出身だが、そこにまつわる不思議な魔法のナイフの伝説のせいで、彼女もまた、故郷を失った。
呪われた神のナイフによって、一代で大帝国となったアルベト帝国は、黄昏と黎明の挟間で、その代償に何を失うのか。
そして、一人の奴隷将軍によってゆっくりと、しかし着実に崩壊への道を歩みだす祈りなき玉座に、真なる神はその意を問う。
信仰を棄てた二人が出会うとき、天は彼らに何を望む?