あらすじ
――泣くのは、全部片付いてから。
王太子に「婚約破棄」を宣言された伯爵令嬢エリサは、涙ではなく“記録”で応じる。水鏡の実況中継、神殿書記官の公開鑑定、会計台帳の照合――可視化された真実は、王都の夜をひっくり返し、ざまぁは“祭り”へと変わっていく。
怒りより速く動く手続き。噂より強い証拠。彼女の戦場は舞踏会でも政争でもなく、紙の上。
鋼の瞳の辺境伯セルジオは、前ではなく“隣”に立つ壁となる。二人は監査の独立を最優先した「契約婚約」を結び、王都と辺境に“実況型監査”を敷いていく。
恋は条文ではなく脚注から――ゆっくり増えて、ある日本文を追い越す。その日まで、彼女は宣言する。
「記録、残します。」