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京のほとり、嵯峨の深き静寂の中に隠れ住む、貴き御方「笛の君」。その寂しき笛の音に、魂を揺さぶられた一人の娘・小夜。姿を見ることも、言葉を交わすことも叶わぬまま、二人は夜ごとの調べを通じて、ただ清らかな心のみを重ねてゆく。しかし、身分の隔たりと忍び寄る病の影が、無情にも二人を分かち――。全編「擬古文(古文調)」にて綴られる、桜と笛の音に託した、雅で切なき短編悲恋譚。