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深海で、何かにぶら下がっていたはずだった。 確かに感じていた感触は、いつの間にか薄れ、 自分の重さに耐えきれず、静かに引きはがされる。 落ちた先は柔らかく、 動けないまま揺れる身体と、 近くで揺れる海藻の影が、 いつしか同じリズムを刻み始めていた。 合わせた覚えはない。 けれど、その瞬間、 こちらと向こうの距離は、意味を持たなくなり——。 深海を舞台にした、 理解よりも先に起きてしまう「事故」を描く短編。 ※同一世界観の連作短編ですが、本作単体でも読めます。