あらすじ
「そうやって弱者ぶって……周りの同情を引きたいだけなんじゃないですか」
新人のソナ・フラフニルは、彼女の教育係であり魔力無しの先輩職員、カギモト・カイリに向けてそう言い放った。
………
魔法至上主義の世界。
魔力を持たない人間──“杖無し”は、表向きには平等法が適用された現在でも、差別の対象となっていた。
国内最高峰の魔法専門学校を首席で卒業したソナ・フラフニル。
彼女が国家公務員新入職員として初めて配属されたのは、内外から“掃き溜め”と馬鹿にされる、西部遺跡管理事務所の総務係。魔法の力を特に必要としない事務職である。
新人の彼女につけられた教育係は、同僚の青年、カギモト・カイリ。
穏やかでいて謎めいた雰囲気を持つ彼は、“杖無し”だった。
過去の事件をきっかけに、“杖無し”に深い怒りと憎しみを持つソナ。
周囲から見下され、罵倒され、ソナに冷たい態度を取られ、人としての尊厳を削られ続けても、飄々と受け流すカギモト。
2人の相性は最悪のはずだった。
「魔法が使えなくても俺は、自分が、他人から侮られていい人間じゃないって、そう思ってる」
淀みなく言い切るカギモトのその言葉は真意なのか。
彼は一体何者なのか。
取り巻く理不尽の中、どうして立ち続けていられるのか。
この世界で何の力も持たないカギモトの存在に、ソナも、周囲も、少しずつ揺れていく。
これは、人と対等に向き合うことについて考え続ける物語。
◆第一章でひとつの区切りとなっており、以降は続編というイメージです◆
〈注意〉この作品はファンタジーですが、差別、偏見、いじめ、その他理不尽な展開や精神的ストレス描写が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※救われない、すっきりしない展開多め。
※じっくり読む人向け。
※シリアス、心理描写、人間関係の描写多め。文体もあまりライトではないと思います。
※スローペース、早い展開が好きな方には合わないと思います。
※ファンタジー設定ですが、魔法少なめ。派手なバトルなどない予定です。
※レベル、ステータス、スキルなどありません。
※カクヨムさまでも順次掲載。
※公務員設定ですが、想像で作り上げた部署なので、公務員はこんな業務やらないだろ、と思ってもご容赦ください。