あらすじ
電気は難しくない。
難しくしているのは、人間の都合だけだ。
………
吾輩は猿である。
やかんを見れば分かる話を、
人間だけが難しくしていることに気づいてしまった。
電気は、水を沸かし、回すだけだ。
それなのに人間は、
原子力を「専門家の領域」に閉じ込め、
毎日燃やしているゴミから電気を作ろうとはしない。
一方で、日本有数の清水を誇る熊本では、
人が生きるための水が、
半導体工場を冷やすために使われていく。
なぜ、儲からない仕組みは消されるのか。
なぜ、命の水は金に変えられるのか。
これは電気の話ではない。
水の話でもない。
考えることをやめた人間社会を、
猿の目で見つめた文明批評である。
半導体を冷やす水と、子どもが飲む水。
あなたは、どちらを「文明」と呼ぶだろうか。