あらすじ
鍛冶町育ちのユイは、巡礼路の途中で一本の古い剣を拾ってしまう。
ところがその剣――《讃光》は“呪いの剣”だった。
……ただし、悪さはしない。
代わりに、やたらと褒めてくる。
「素晴らしい! その気遣い、尊い!」
頭の中に響く拍手と称賛に押され、ユイは断れない性格のまま、人助けと呪具回収の仕事に巻き込まれていく。相棒は規定に厳しい封呪士見習いレオン、窓口の頼れる大人ミレイ、そして“褒め”に傷を持つ優等生リナ。
褒め言葉は、救いにも呪いにもなる。
誰かを前に進ませるための称賛が、いつしか人を縛ってしまうこともあるのだ。
剣を返すために旅を始めたユイは、剣が褒め続ける理由と、かつてそれを鍛えた鍛冶師の願いに辿り着く。
そして最後に選ぶのは――褒められるから動く人生ではなく、“自分の言葉”で歩く人生。
拍手みたいな呪いと、ただいまのような救いの物語。
読み終えたあと、少しだけ胸があたたかくなる?