あらすじ
王太子レオポルドの婚約者、公爵令嬢セラフィナは確信している。
物語の流れ的に、自分はいずれ婚約を解消され、新しい誰かに恋をする運命なのだと。
王太子が誰かと会話をすれば浮気の前触れ。
優しくされれば罪悪感。
夜会があれば宣告の舞台。
「これは婚約破棄でしょうか?」
そう問い詰める準備だけは完璧なのに、いざ運命の相手が現れたと思えば――仮面の下から出てくるのは、なぜかいつもレオポルド本人。
ときめきも、展開も、全部横取りされる。
逃げたいのに逃げられない。
新しい恋に落ちるはずなのに、最後に立っているのは同じ人。
何度やり直しても、結末だけが変わらない。
観念しかけても、彼女はきっとまた聞くのだ。
「これは婚約破棄でしょうか?」と。
そして王太子は、ため息交じりに答える。
「違う」と。