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宇宙の寿命は尽きようとしていた。星々はすべて燃え尽き、ブラックホールさえもホーキング放射によって蒸発しきった、絶対零度まで数ナノケルビンに迫る「熱的死」の時代。 かつて人類と呼ばれた種の末裔である量子意識体シンは、凍りついた時空の墓標を彷徨っていた。彼の目的は、絶滅を待つだけの現宇宙を捨て、次なる宇宙を創出する「再起動(リブート)計画」の完遂である。 しかし、新たなビッグバンを引き起こすには、現宇宙の物理法則が許容する「プランク温度」すらも塵に等しい、究極の熱量「グラハム数℃」が必要だった。