あらすじ
世界は、善意によって壊れた
世界は、善と悪に分けられている。
そう信じられてきた。
人々を救うために選ばれた“勇者”。
その勇者を支える仲間たち。
そして、討たれるべき存在として語られる“魔王”。
だがある日、勇者の前に現れた名もなき少年は、
善意から放たれた光によって、世界の歯車を静かに狂わせていく。
光は救済だったのか。
それとも、奪取だったのか。
勇者は力を失い、
仲間たちは居場所を失い、
それぞれが「選ばれなかった者」として歩き始める。
視点は勇者、仲間、そして魔族へと移ろいながら、
“正しさ”と“役割”に縛られた心の歪みが浮かび上がっていく。
これは、
誰のためでもない光によって始まる、
善と悪、勇者と魔王、その境界が崩れていく物語。
伏線と違和感の先に、
本当に救われる者は、誰なのか――。
本作は作者の初期作品です。
現在連載中の『玄関戦争』とは作風が大きく異なりますが、
作家としての原点となる物語です。