あらすじ
生まれ変わる前に、
今の自分を愛したい人へ。
『Shangri-La』は、
当たり前だと思ってきた価値観や正しさについて、
読むほどに立ち止まって考えてしまう物語です。
この物語の舞台は一つではありません。
国や時代で分かれているのではなく、
信じる価値観そのものによって、
いくつもの“世界”が重なって存在しています。
まるで、あなたと他人の境界線を表すように。
悪夢を食べる獏・凌(しのぐ)は、
人間社会に紛れながら、
誰にも知られず生きていました。
ひとりの少女・亜月(あつき)との出会いをきっかけに、
孤独を知るふたりは、無意識に“測られる”世界の中心へと、
静かに足を踏み入れていきます。
罪は魂の重さで決められ、
誇りは勝利に紐づき、
変化は退化と忌み嫌われる。
多種多様な種族がそれぞれの“常識”を抱えて生きている、多層世界。
この物語は、
世界を変える話ではありません。
正しさに答えを出す話でもありません。
それでも、
読み終えたあと、
自分や他人を見ていた基準が、
少しだけ、揺らいでいるかもしれない。
これは群像劇にして、
あなたのなかの“熱”に気付ける可能性を差し出す、
哲学ファンタジー。
死を抱えて、
誇りを探して、
未来を怖がって、
過去を引きずって、
それでも変わりながら、生きる。
生きて、考えろ。
死さえも越えて、何かを遺せ。
──あなたの中に、火種はあるか。