あらすじ
中世の軍記物語をなろう小説風に翻訳し直してみました。読み口が軽いライトノベルさに徹して、訳者の思想性や中途半端な解説は極力排除しています。
1960年代、作家たちが競って古典を翻訳し歴史小説化した歴史小説ブームな時代がありました。あれから半世紀以上。名作は今も輝いていますが、ほとんどの歴史小説の文体や作風に古臭さを感じてしまうのも事実です。
また、この半世紀でネット環境は劇的に進化しました。ライトノベルの隆盛、原書や一次・二次資料へのアクセスの容易化です。とりわけウェブ小説界隈においては投稿者の表現力も、そして読者の審美眼も、半世紀前の文芸と比べて遥かに高いレベルにあるように感じます。
特に異世界ファンタジーは層が非常に厚く、その洗練されたエンタメ性は、まさに本来の日本文芸の在るべき姿だと思います。
しかし、歴史ジャンル、特に転生に頼らない純粋な歴史小説は、旧態とした作品が多く、原典の魅力が翻訳で薄まり、作家の独り善がりな加筆と相まって「説教っぽい」「堅い」「辛気くさい」と言うのが率直な読感ではないでしょうか。
でも本来、軍記物や戦記こそ――
真偽を検証する歴史資料でも、解釈を議論する学術論文でも、教訓を探すビジネス書でもなく、ネットもテレビもない時代に、庶民が英雄譚に胸を躍らせ、「ざまぁ」を愉しんだ最高のエンターテインメントだったはずです。
そんな想いで、僭越ではありますが私が古典をウエブ小説の技法で翻訳してみました。結構楽しんで頂けるのではないかと思っています。
追伸
本文には原文も併記するようにしました。私レベルではこの程度の翻訳ですが、皆さまならもっと面白く色々活用できると思います。何気に手間の掛かる原文テキストデータの併記が、少しでも歴史小説界隈を盛り上げる切っ掛けになれば嬉しいです。